南極を体験してみた
小学生の頃、同級生のお父さんが南極にいくということで異常にテンションが上がった。
僕にとっての南極は、子供の頃から南極物語の南極であって、ブリザードで1メートル先も見えず、カラフト犬ですら生き延びることができない場所で、やっぱり高倉健のような男の中の男がいるべき場所じゃないかと思っていた。
そうだ、南極に行こう!
というわけで友達から「南極に行かない?」と誘われたときは、異常な興奮と同時に「だ、大丈夫なのか?」と思ったわけだったが、最終的には、その誘いは受けたわけです。よもや生きているうちに南極に行くことができるなんて思わなかったし。
で、なんで南極に行くかというと完全な好奇心だけで、用事はまったくありません。とにかく南極に行ってみたい、ということです。そんな好奇心ある人が8人集まりました。
いつ行ったのか
南極は南半球なので日本と季節が逆です。ということで、12月の終わりに訪問することにしました。
12月の日中の気温は0度くらいです。よって、日本のスキー場の方が暖かいくらいです。なので、夜中の探検とかしなければスキーウエア程度で大丈夫なんです。
どうやっていったのか
いろんなルートがありますが、我々はチリの南端の街「プンタアレナス」から小型飛行機をチャーターして行きました。片道3時間くらいです。
メジャーなのは、船で数日かけていく方法でこれは乗合です。価格的には断然船が安いですね。
あと、とにかくプンタアレナスまでが異常に遠い。
成田→シカゴ→リマ→サンチアゴ→プンタアレナスで30時間くらい。すげえ、遠い。
南極のどこに行ったのか
キングジョージ島です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E5%B3%B6
キングジョージ島は南極観測基地の密集地帯であり、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ロシア、大韓民国、中華人民共和国、ポーランド、ウルグアイの観測基地がある。それらは有人越冬基地がほとんどであり、生物・地学を中心とする研究が行われている。夏季にはわずかながら観光客も来島する。 wikipediaより
とあるとおり、観測基地がたくさんある南極の中のもっとも人口密度がたかい場所だと思います。
さて、南極体験です
チリの南端の街プンタアレナスを出発します。この飛行機で3時間。
だんだん氷山とか見えてきて、そして南極に到着です。
なんと飛行場がありまして、楽々着陸できます。到着はチリの基地です。
ここから宿泊地であるウルグアイの基地に雪上車で向かいます。
これは異常までに乗り心地が悪い。
まあ、道らしい道がないからともいえるが、そもそも雪上車は観光客を乗せること前提にしてないですね。
ちなみに、南極ガイドのアルゼンチン人が車酔いでゲロ吐いてたくらい乗り心地が悪いです。
ウルグアイ基地に到着
我々の宿泊場所であるウルグアイ基地に到着。
想像を遥かに超えて立派。
食堂棟と宿泊棟がわかれており、暖房完備。水洗便所。2段ベット。
すごい快適です。これはかなりショックでした。
ところで僕は南極に着物とお面をかぶっていきました。
着物&歌舞伎面in南極
お面を持ってくるのがすごい大変だったのですよ。
すごい邪魔。サイドの変なでっぱりがすごい邪魔。
でも、現地の人達にはすごい受けが良かったです。
南極観光
ガイドはそりゃもうガイドっぽい方。人類で26番目だかなんだかに南極点に徒歩で到達された方です。
○氷河を見て、氷山を見る
まさに南極。これはきれいです。
○ペンギンアイランド訪問
大量のペンギンがいます。人を怖がらず、めちゃくちゃ可愛いです。
「シロクマいた?」
とよく聞かれますが、ありゃ別名「北極クマ」といいまして南極にはいないんですよ。
○観測基地見学
中国の基地に行きました。
勝手にずんずん入っても何も言われません。南極の基地はどこもそうらしいです。
そういう文化みたいです。隊員たちはきさくに話しをしてくれます。
クリスマスin南極
今回のメインイベントのひとつは12月24日のクリスマス・イブの夜を南極で過ごすこと。
ロマンチックには全くならず、ウルグアイの方々と陽気に大騒ぎでした。楽しかったなー
ウルグアイの人はキリスト教徒らしく、ちゃんとお祝いします。
羊を焼いてくれました。
フォークダンスをみんなでして夜中まで大騒ぎ。
一生の思い出に残るクリスマスイブになりました!
天候
やっぱり吹雪になるんですよ。
吹雪くとたしかに南極物語状態で、寒いし前が良く見えない。
気温はたしかに0度くらいだけど、風が吹くと体感温度は実際の気温よりも-10度くらいに感じる。
でも、陽が射すと暖かい。やっぱり12月は夏でした。
そして夏は白夜です。この写真は夜中の3時くらいですが日が沈みません。
思えば遠くに来たものです。
費用
なんだかよくわからないくらいかかりました。
まあ、
- 日本からチリまでビジネスクラスで手配
- プンタアレナスあら南極まで貸切の小型機
というのがヘビーにきいているので、これをはずせばおそらく60万くらいだと思います。
その他
■ケータイ
なんと南極、ケータイが入ります。
私のdocomoはばっちりローミングで普通に使えました。もちろん場所によりますけど。
友達から「今晩暇なら飲もうよ」とメールが来たので、「今、南極だよ」と返信したら「それ、どこにある店?西麻布?」という返信が来て笑いました。
■帰りにぜひ
南極のあとアルゼンチンに行ったのですが、ここはすばらしいところでした。
特にカラファテという街がすばらしい。ぜひともおすすめです。
ただ、そのあといったブエノスアイレスにて、友達2人が身ぐるみ剥がされるという目にあいましので、要注意です。
全体的な感想
憧れの南極行けたことは大変有意義でありました。
氷山すごいし、ペンギンかわいい。まじ、すごい。でも、遠いよ、遠い。あと、やっぱり寒い。
というわけで南極はなにか異常なあこがれがあるとか、変なチャンスあれば行った方がいいけど、まあわざわざ行く必要はありません。ちょっと遠すぎて、過酷すぎる。とりあえずは
「オレの知り合いが南極いったことあるんだぜ」
程度でいいかと思います。というわけでこれを読んだ皆さんは
「オレの知り合いが南極いったことあるんだぜ。あそこは遠いみたいよ」
という感じでよろしくお願いします。
ちなみに、この年の初日の出はアラスカ上空、北極の近くで飛行機の中から見ました。
南極から北極まですさまじい旅でした。おつかれさまでしたー。