大学講師を体験してみた
私はJustGivingにおいて
「100箇所の職場体験、現場体験してきます」
という挑戦を通じてピースウィンズ・ジャパンへの寄付を集めています。
今回はその22箇所目となります。過去の体験はこちら。
はじめに
大学時代はご多分に漏れずあまり学校に行ってなかった。まあ、オレが行っていた早稲田大学の場合、まじめに通っていましたという人を探すほうが難しくて、むしろみなさん不真面目自慢をする傾向があります。よくないですね。学生の皆さん、学校に行ってね。
そんな私も大学で講師をさせていただける機会をいただきます。たまに、だけど。自分が大学の講義であまりおもしろかった記憶がないもんだから(そもそも行ってないからそう言う資格もないという話なんですけどね)、自分がやる講義は面白くするぞー、と意気込んだりします。過去は、早稲田、阪大、京大、横浜国大、岐阜大、東北大とかでやってたんだけど、評判はまあまあかな、自分で言うのもなんだけど。
でもここしばらくはやってませんでしたので、今回静岡県立大学の国保先生から「職業体験いかがですか?」というおはなしを頂きましたので、これはちょうどいいということで張り切って行ってきました。
静岡県立大学について
静岡には国立の静岡大学と静岡県立大学があって、県立のほうは「けんだい」と呼ばれているみたい。ちょっと驚く略し方だと思うけど、まあ土地には土地のルールがある。
「けんだい」はこじんまりとしてて、おしゃれよ。レンガの校舎とイチョウがとっても印象的。
静岡県立大学について http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/
■名称:静岡県立大学
■設置:1987年
■学生数(2010年5月1日現在)
男性:907
女性:1525
合計:2432
■学部:薬学部、食品栄養科学部、国際関係学部、経営情報学部、看護学部
女子が多いっす。キャンパス歩いてても女子だらけっす。ふむふむ。
今回のテーマ
さて、授業を行うのあたって国保先生からテーマをたいだきました。
テーマ
「楽天イーグルス立ち上げに学ぶ、やったことがないプロジェクトに取り組むときのコツとチームづくり」
ふむふむ、プロ野球チームの立ち上げを話しながら、事業開発だったりプロジェクトマネジメント話をさせていただければいいかな、と。
学生への事前課題
学生さんに対して国保先生から以下の事前課題がでていました。
※国保先生のメールより
事前課題として、学生には以下の3つの記事を読ませます。
nanapiの記事
‐「やったことがないプロジェクトに取り組むときの大事なこと」 http://r.nanapi.jp/849/‐「誰でも簡単にできるプロ野球チームの作り方(新規編)」 http://r.nanapi.jp/299/
日経ビジネスオンラインの「激走ベンチャースタジアム」の小澤さんインタビュー
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100816/215798/
おっと、これを先に読まれるとここに書いていないことやらないといかんですな。
担当授業
私が今回担当する授業は2コマ
10:40〜12:10 3年生授業「経営組織論」履修者29名
13:00〜14:30 2年生授業「組織行動論」履修者50名
オーダーは45分の講演、その後45分のディスカッションです。
授業のゴール
上記授業を行うわけですが、国保先生から事前にゴール設定をいただきました。
※国保先生のメールより
授業なので、その授業における学習のゴールを達成することが目的となりますが、授業が終わった時に学生が
「経営組織論」→社会に出て働くことが楽しそうと思えている
「組織行動論」→リーダーになることが楽しそうと思えている
となっていることを目的としたいと考えてます。
なるほど。授業にゴールを設定しそれを達成するなんて、いままで考えたことありませんでした。たしかに授業としては明確な課題とゴールを設定したほうが講師にも学生にもわかりやすいかもしれません。
うーむ、これは過去やってきた授業より難易度がはるかに高いじゃあーりませんか。さて、どうしたものか。。。。
資料作成
丁度前週に立教大学の社会人MBAむけの講義があったので、その資料とあわせて作ったんけど結局20時間以上費やすことになりました。講義自体が久しぶりということもありましたが、作り出すと止まらくなってしまってかなり時間を使ってしまいました。たいした資料でもないんですけど。
ちなみに僕が講演資料を作る際は、
‐最初に講演の全体の流れを決める
‐それにあうスライドを作る。この際最初のバージョンで言いたいことを全部テキストでいれていく
‐その後どんどんテキストやスライド自体をそぎ落としていく
結果的に写真だけになるスライドもあります。よって、最初のバージョンが一番スライドが多かったりしますね。
いざ授業
というわけで、授業です。こちらの言いたいことが伝わって、国保先生からいただいた課題がクリアできますかどうか・・・まずは45分の講義ね。
話の内容としては以下の流れ。
・自己紹介
・楽天野球団設立前における状況の確認
・楽天野球団設立の結果の確認
・どうやってやったのかケーススタディ2つ
1 ファンクラブ
2 チケット
・プロジェクトを行う際の手法のまとめ
生徒さんはグループに分かれています。そしてみなさん自分のネームプレートを前にだすという珍しい形での授業。
そして今写真を見ていたら「志村けん」というネームプレートをだしていらっしゃる学生さん発見。聞けばなんと本名ということ。すばらしい!
まあ、一生懸命話しをします。身振りを交え
手振りも交えます。
その後質疑応答です。
発言が評価される授業形式ということもありたくさんご質問をいただきました。ありがたいことです。自分がリーダー的な立場でプロジェクトを進めていく際の質問やら、まさにこの職業体験についての質問等いただきました。
質問に応えながらあっというまに90分間終了。うまく伝わったんでしょうかね。
午後も90分やりまして、本日の授業終了です。学生さんは授業の感想をアンケートで書いていただけるそうなのでドキドキしながらその結果を待つことにします。
学生の反応
アンケートを見せていただきました。
アンケート結果
■【経営組織論】AM/3年生/出席者19名
・今日の学びを実行に移していきたい 14名
・新規プロジェクトに挑戦してみたい 6名
・自分でも出来そうと思えた 4名
・小澤さんみたいになりたいと思った 2名
・これからやるべきことが見えた 3名
・起業も楽しそうと思った 1名■【経営行動論】PM/2年生/出席者44名
・楽しいことの大事さに気付いた 15名
・要素分解の話が印象に残った 13名
・自分も挑戦してみたいと思った 11名
・不安の対処法が参考になった 9名
・小澤さんの発想が新鮮だった 7名
・小澤さんに憧れた&かっこいい 3名
総じておもしろかったと言って頂いているんですけど、もともとの目標が
> 「経営組織論」→社会に出て働くことが楽しそうと思えている
> 「組織行動論」→リーダーになることが楽しそうと思えている
だったので、ちょいとその目標に対してずれてしまったのが反省点です。うーむ、資料作りのところでちょっとずれちゃったかなー。やっぱり話たいことを話しすぎてしまったかもしれません。難しいな。。。
感想
いままでの大学の授業や講演では「自分が話したいこと」を好き放題話をしていました。今回はじめて最終目標をいただいてそれにむけて授業をする、ということにチャレンジしたわけですがこれは今までなかった視点でした。そして、オレはやっぱり好きなことを話をしてしまう傾向があるんだなーと思ったわけです。ここはなんとも悩ましい。
それにしても自分が大学で教えるようになって、本当に自分が学生の頃はひどかったな、と。教える方は資料作ったり、どうやったら学生に伝わるかなとか本当にいろんなことを考えながら講義をしているわけですが、そんなこと全くお構いなしで寝たり喋ったり、そもそも出席していなかったりね。まあ、立場が変わらないと理解出来ないことという意味では子供を持ってみないと親の気持がわからない的なことかと思いますが、それでもまあちょっと反省しましたね。
結論としては
とにかくサンデル教授はすごい
国保先生、ゼミのみなさん、そして授業をうけてくださった学生の皆さん、ありがとうございました!