大衆演劇を体験してみた
面白い体験、珍しい体験をしたときに「現場体験」として記録を残しておくことにします。
独り占めはもったいないので。そういうときは職場体験だけじゃなく「現場体験」としますね。
というわけで、今回は浅草で見たあまりにもおもしろかった大衆演劇について。
みなさん大衆演劇って知ってますか?
大衆演劇とは
大衆演劇(たいしゅうえんげき)とは、日本の演劇におけるジャンルの一つ。一般大衆を観客とする庶民的な演劇のこと。一般的には「旅役者」と呼ばれる劇団に当たる。
wikipediaより
一般大衆じゃない人を観客とする演劇ってあるのかよ、と思いますがオペラや歌舞伎とかと比較すると確かにだいぶ庶民的です。なんと入場料1,300円~1,700円だし。3時間半やってこの価格。恐るべき安さ。まあ、イメージしていただきやすいとすると(東京の人しかわからないかもしれませんが)浅草の演劇小屋でやっている、時代劇と歌謡ショー中心の笑いありお涙ありの演劇ですね。
ちなみに観劇の価格で比較すると(小澤調べ)
・僕の大好きな劇団四季のライオンキング 6,000円〜9,800円
・歌舞伎 大体2,500円〜17,000円
・有名オペラ 10,000円〜50,000円
・宝塚 2,500円〜11,000円
・僕が見た大衆演劇 どの席でも一律1,500円
と圧倒的な価格破壊力です。
さて、劇場に到着
今回は、浅草にある木馬館にお邪魔しました。ただいま興行中なのは「近江飛龍劇団」。
http://www.justmystage.com/home/hiryu/top.html
大衆演劇は大体1ヶ月間劇場を貸しきって公演されています。昼の部と夜の部があって、昼は12時から、夜は17時から。もはやこの時点で一般のサラリーマンは観劇NG。結果、おばあちゃんがたくさんいます。なかには若い人もちらほら。でも、基本女性。観客は9対1で女性です。平均年齢は、どうですかねえ、60オーバーって感じ?わからん。
そして、僕が見に行った日は座長である近江飛龍が徹底的にフィーチャーされる「飛竜祭り」だったせいもあり、満員御礼。すげえな、飛竜。
いよいよ開演
当日は「飛竜祭り」だったが故に、ちょっと特別プログラムでした。
第一部として、清水の次郎長が出てくる劇。まあ、いわゆるドタバタ劇です。アドリブたくさん、笑いがたくさんで、僕の大好きな感じの劇。もともと日光江戸村の欽ちゃんの劇場が好きだったのだがあんな感じ。実に楽しい。もう見ていて顔が自然ににやけてしまう楽しさ。
ところで、大衆演劇、なんと写真撮影OK。フラッシュもOK。すばらしいユルさ。
僕はそれを知らなくて第一部の写真なし。残念すぎる。
休憩をはさみ、第二部に。
第二部は歌謡ショー。歌謡ショーといっても歌うわけじゃなくて、流れてくる歌にあわせて次々に俳優さんが出てきて踊ります。そしてどんどん着替えます。
このタイミングで写真が撮れると気づいたので、写真をどうぞ。
観客の方がもすごいたくさん写真をとります。ごっつい一眼レフを持ってきているおばあちゃんもいます。
フラッシュ撮影OKというユルユルのレギュレーションです。
あと、掛け声がすごいです。
決めポーズだったり、音楽の合間合間で
「座長!」とか「やまと!」とか「あらし!」とか演者さんに対して掛け声をかけます。女性からかなり太い声で掛け声がかかるので、かなりびっくりします。ドスがきいています。
そしてなにより、おひねりです。おひねり。
次から次へとおばさん、おばあさんが舞台の近くに来てはおひねりをあげるのです。
金額は3万円とか5万円とかですぜ!衝撃ですよ。
これを胸元にヘアピンでとめるのがトレンドらしく、これがすごいおもしろい。
いやあ、日本、すごい!バンザイ!バンザイ!
第三部はやはり歌謡ショーですが、第二部の女形ではなく男性バージョン。
いきなり飛竜のドラム+歌で開始。実に男性的。歌は「ジュリー」とか歌ってくれます。かっこいいです。
あ、ちなみに僕は今回前から二列目で見たのですが、一列目にはここで写っている小学校六年生の女子一人だけが座っていました。
写真とらせて、と言ったら照れてしまいました。
すごいですね、小6から大衆演劇通い。聞けば今日は卒業式だったとのこと。卒業式終わって大衆演劇くるなんて、どんだけ気合入ってんだよと。ジャニーズより飛竜が好き、ときっぱり言い切っていました。多様な価値観です。すばらしい。
三部もどんどん進んでいきます。すばらしいです。
そしてフィナーレ。
観客全員を巻き込んで踊り狂います。
いろんなタイミングで飛竜から「お前ら声が足りない!」とか「ペンライトを振れ!」とか指示がでます。おばあちゃんたちは絶叫しながらその指示に従います。まじでなにがなにやらわからない、もう極楽浄土状態です。僕も正直軽いパニック状態で指示に従います。
必須アイテムのペンライトはこれ。
本当の最後は大いなる紙吹雪祭り。
信じられない量の紙吹雪を撒き散らします。
ちなみにこんな日に限ってトートバッグできてしまったため、バッグの半分位まで紙吹雪が入っていました。恐るべし、近江飛龍劇団。
見終わって劇場外にでると、一座がお見送りです。
感極まったおばあちゃんは飛竜に抱きついたりしています。
僕も記念撮影。うれしい!
感想
向き不向きはありますが、とにかく一度ご覧になることをおすすめします。
僕的にはこんな宝物に気付かず今まで生きてきてしまったのか、という思いです。
とにかく笑った。あはははは。
ご興味あるひとがいたら一緒に行きましょう!来月(2010年4月)は十条にある篠原演芸場です。
http://www.city.kita.tokyo.jp/misc/kanko/data/a/8.html
僕は行きます!
※ただおばあちゃんたちが主役になる場でもあるので、その文化を大事にしながら参加していきたいと思っています。