Mobile Meを使ってiPhoneを探してみた
私はJustGivingにおいて
「100箇所の職場体験、現場体験してきます」
という挑戦を通じてピースウィンズ・ジャパンへの寄付を集めています。
今回はその27箇所目となります。過去の体験はこちら。
大変だ、iPhoneがなくなった!
友達の友達の話。仮にAさんとしましょう。
Aさん、朝起きたら、財布もiPhoneもない。体は傷だらけ。
うーむ、どうやら昨晩飲み過ぎて記憶もない。弱った。
これが今回のスタート。まさにリアルハングオーバー(注:私が大好きな映画)状態。
まず最初にすべきこと
警察ですね。
遺失物の届け出をするわけです。
これをしておくことで、のちのち警察が動いてくれやすくなりますので必ずしておきましょうね。
Aさんももちろん警察に届出をしたそうです。
さて、どうするか
でも、Aさん、記憶は戻らないし、もちろん、財布もiPhoneも出てこない。
悶々としたまま数日を過ごします。
クレジットカードも使われず。
そんな僕らの味方、Mobile Me
さて、そんなときはMobile Me。Mobile Meをご存じの方、多いと思います。
iPhoneをGPSで見つけることができる機能です。
AさんもMobile Me加入者だったので、もちろんMobile Meを使ってiPhoneの場所を確認するも、電源が切られているのか圏外なのか、反応せず。もうどうにもできない、という状態で無くしてから4日間ほど経過。
友人による捜査チーム立ち上げ
そんな中、Aさんの友人の、森岡リーダーを中心として捜査チームが結成されました。
facebookグループを作成し、ここで作戦会議や情報を共有することにします。
私はなぜかハングオーバーの映画が好きだ、という理由(推測)でこの時点で加入することになりました。
なんとMobile Meに反応が!
iPhoneをなくしてから5日目の午前5時にMobile Meに反応があったとAさんから連絡。
捜査チームグループに激震が走ります。
場所は関東のとある県でした。
そしてgoogleマップで調べるとそこはなんとリサイクルショップの付近です。
こりゃ、絶対リサイクルショップに売られたぞ!
ということで、捜査チームは俄然色めき立ちます。
現場を急襲
その晩に早速、森岡リーダーとAさんが現場と思われるリサイクルショップを急襲することにしました。
電車に乗って1時間、警察を連れてリサイクルショップを訪問した彼らを待ち受けていたのは、
「本日定休日」
の看板でした。その状況をfacebookグループで知った我々はちょっと笑ってしまいました。
完全無駄足。
次の日、電話
というわけで、次の日、リサイクルショップに電話をかけます。
その結果わかったのは
1 携帯は取り扱っていない
2 ここ数日で、iPhoneの持ち込みはない
3 店長の周辺でiPhoneを使っている人はいない。
4 建物2階に大家がいるが、老夫婦なのでつかっていないはず。
ということでした。ふーむ、ホシはリサイクルショップの客なのか?
Mobile Meで引き続き捜査を継続
反応が出たり消えたりするわけですが、iPhoneはそのリサイクルショップの近くをぐるぐる移動します。
ゴルフやさん、ショッピングセンター、工場、テニスコート等々で確認されます。
テニスコートで反応があったときな「ホシはいまテニスをしている!」とチームは大興奮。なんかわからないけど大興奮です。
※結論から申し上げると、どうやら近くを通行中だったようです。
現場調査を続ける
最も反応が出るリサイクルショップ周りがどうにも怪しいということで、Aさんは次の日も現場に行き調査を続けます。
どうやら前日リサイクルショップ周辺で非常に怪しいバイクに乗っている高校生をみつけ、そのバイクを目印に調査を行ったりしますが、どうにも確証がなく、手詰まり感があります。
チームのネット捜査が本格化
一方、科学捜査班を自認する永田捜査員がGPSの反応が最も多いリサイクルショップ周辺をgoogleストリートビューで調べ狂います。
一軒一軒画像を確認し、考察をおこなっていきます。いや、別に門構えをみてもわかるわけじゃないんですが、GPSの反応が一番近いあたりの家の表札が見えるので、〇〇さんか△△さんのどちらかの家だなあ、という感じです。しかしGPSとgoogleストリートビューの画像を見ながら推察を行っていると、気分はなんかCIAです。まあでも、全然iPhoneが見つかるわけではありません。
そしていよいよチームが現場に乗り込む
iPhoneがなくなってから10日目、いよいよチームで現場に乗り込むことにしました。
そしてなぜか、こんなものまで装備。むしろ俺達が職質されたらアウトなんじゃねーか的な。
無線も配備し、準備万端。
ちなみに私は当日急に暇になったので、正直物見遊山的に参加。なんかすいません。
iPhoneはいつものリサイクルショップ周辺にあります。
待ってろよ、iPhone!
道すがら、永田捜査官が「太陽にほえろ!」のテーマソングを流し、気分を盛り上げます。
つまり、まあ、半分ふざけているわけですが。
ここからはこちらを再生しながらお楽しみください。
ついに現場到着
スペシャルチームを乗せた2台の車はついにリサイクルショップに到着。
とりあえず、目の前を通りすぎながら状況を見てみようということで、店の前を通りすぎてみました。
お店はやってました。
そして、金髪の若い店員がお客様を接客中でした。そして社内であがる声。
あの金髪が怪しい
人は見た目が9割、とはよく言ったものです。
金髪ってだけで、かなり怪しい認定になってしまいました。
まあ、とにかく作戦会議ということで、近くのファミレスでランチをとるにことにしました。しかしこのランチが捜査を遅らせることになるとは夢にも思いませんでした。
GPSの反応がなくなった!
なんとなく遠足気分な我々はランチもギャアギャア騒ぎながら楽しく食べていました。
さていよいよ現場に行くかというタイミングになって
「GPSの反応がなくなった」
という事態に陥ります。むむう、ランチタイムが命取りだったか。メンバーの中から
・金髪が俺達に気づいて電源を切ったのではないか
とか
・さっき、隣で飯を食っていた親子のおやじのほうが俺たちをじっと見ていた。きっと奴だっんだ
等々の推理が飛び出しますが、とにかく反応がありません。
しかし我々には選択肢が残されていないわけですから、リサイクルショップを目指します。
リサイクルショップ到着
いよいよリサイクルショップ周辺の調査です。
まずリサイクルショップに入りましたが、たしかにケータイはありません。
最も怪しい金髪のお兄ちゃんは必死に冷蔵庫とか洗濯機を掃除しています。
GPSの信号がキャッチされていたのは正確にはリサイクルショップの横で、そこは実際に行ってみると駐車場でした。4台止まっており、黒い車、黄色い車、トラック、原チャリでした。車は1台1台覗き込んでみましたが、iPhoneらしきものは見えません。
周辺の家も歩きまわってみますが、もちろんiPhoneが玄関前に置いてあるワケもなく、見つけることができません。
弱った。。。。
予習のお陰でまるできたことがある場所
事前にgoogleストリートビューでくまなく周辺を見ていた永田捜査官は、初めて来た場所なのに、まるで昔から知っているようにここは〇〇さんちでこっちは△△さんち、と知っていたのが面白かったです。恐るべし、現代社会。でも、見つけることができるわけではありません。
ちなみに私は、あまりの暑さに熱中症らしきものの症状に加え元来の怠けぐせにより途中から車で待機。。。すいません。しかし、自称本部長はゆったりと腰をおちつけるものなんだ!
二手に分かれる
そんな自称本部長は無視して、捜査チームは捜査をすすめます。
GPSは反応しないし、埒があかないので捜査チームを2つに分けることになりました。いや、正確に言うと、1台の車で涼んでいる本部長もいるので3チームか。まあ、それはさておき
- 現場聞き込みチーム
- 警察チーム
に分かれました。
警察チーム
とりあえず警察に相談に行こう、ということでチームメンバーである酒井弁護士を連れて警察に1チームが行きました。
僕は行ってないのであとから聞いたところによると警察では
・面倒くさいらしく、とにかくあまり動きたくない様子
・Mobile Meの概念が理解できず説明が大変
・ただ最終的に現場で捜査をしてくれること
という展開で、面倒臭がる警察官を動かすために弁護士を連れてきたのが非常に効果があったようです。
実際に警察は現場に来てくれました。
現場聞き込みチーム
駐車場にとまっている車の持ち主を特定するために聞き込みを行いました。
結果、見事に最もGPSの反応が最後にでていた場所に近い「黒い車」の持ち主の名前が判明しました。家までも判明。
さらになんとその人の職業が
タクシー運転手
であることが判明しました。
捜査チーム、激震です。あやしい金髪とか一気に吹き飛びました。こりゃ、あの夜にAさんを乗せたタクシー運転手だぞとものすごい興奮です。
このあたりで「警察チーム」が呼んだ警察が到着。突っ込んだ捜査を期待するも
・現在GPSの反応がないので、証拠がない
ということで車の持ち主への捜査はNG。一応、その場にある4台の車の記録に残した上で
・次にGPSの反応があって、ここにある車のどれかが同じ場所にあったらほぼ確定ということでその車の持ち主に対して捜査を行います
という確約をいただき一旦署に帰って行きました。
(というのを、車で涼んでいた僕、通称本部長はあとで聞きました)
さて、待機
というわけで、GPSの反応を待つためにチームは張り込み気分です。
現場がとにかくクソ暑くて死にそうなので、またファミレスに戻り、お茶をしながらGPSの反応を待ちます。
まあ、正直半分以上諦めていて、記念撮影したり、与太話をしている間に時間がどんどん過ぎていきます。夜の予定がある人もいるので、そろそろタイムリミットかと思ったその時です!
GPSに反応が!
ショッピングセンターでGPS反応がでました!
チームは一斉に移動。会計もそこそこに(ええ、ちゃんと払いましたけど)、車2台で出動。
頭の中では完全に西部警察のオープニングテーマが流れていました。
以後、こちらを再生しながらお読みください。
1台はショッピングセンターへ向かい、もう1台は元の駐車場に向かい、なくなった車がないか確認することしました。
私の乗った車は、元の駐車場に向かいました。その途中、無線が入ります。
「GPSの反応が元の駐車場に戻っている」
なにーーーーーーーーー、それじゃあわからんじゃないか!と思いながら現場到着。
そして奇跡が起きます。
黒い車がさっきと違う方向で駐車している!
最もGPSの反応に近かった黒い車が、さっき見たときは頭からとめてあったのに、今は後ろからとめてあります。つまり、絶対に動いた、という証拠です。
もうこれだ、これに違いない、ということで警察に通報。
結果
・とりあえず、持ち主分かっているんだったらその人の家に言ってみてください。8人いるなら大丈夫ですよ
という返事。うーむ、ここまできても動かないのか。ジリジリジリジリ。
とにかくこの車が怪しいとにらむ、森岡捜査官
Mobie Meを使って鳴らしてみよう
ここで、さっきは出来なかったけど、今はできることを思いつきました。
GPSの反応があるので、電源が入っているわけです。よって、Mobile Meの機能である強制呼び出しをやってみようということになりました。
Aさんが呼び出します。
車に耳をつけるとピローン、ピローンという音が!
鳴ってます、鳴ってますよ、奥さん!
このときは興奮しました。ついに見つけたぜ、と。
ここで再度警察に電話。iPhoneの所在が確実になったことでいよいよ警察も来てくれることになりました。
20分後、警察到着。
さて、いよいよご対面!
警察が車の持ち主の家に行き、その人を連れてきました。
白髪のオジサンでした。
そのオジサンは、警察に言われて車に入ります。そしてグローブボックスをあけ、中からなにかをとりだし、音速のスピードでポケットにいれたあとに車の外に出てきました(森岡捜査官、永田捜査官談)。
しかし、Aさん、そこは冷静にMobile Meの機能を再度使い、強制呼び出しです。
哀しいかな、オジサンのポケットから
ピローン、ピローン
の呼び出し音がなりだします。おじさん、諦めてポケットからiPhoneを取り出します。
勝ったどーーーーーーーーー
まさにチームで勝った瞬間です。さあ、ここからは別の勝負です。財布を取り返さなくてはなりません。
拾ったと言い張るオジサン
オジサン、iPhoneは拾ったと言い張ります。
財布なんて知らない、と。
むしろなぜか強気。
ただ尋常じゃないタバコの量がオジサンの緊張を表しています。
問い詰める森岡捜査官
こちらは事を荒立てるつもりはなくただ財布を取り返したいだけだとAさん、弁護士、森岡捜査官、警察を交え話をするも拾ったの一点張り。あなた、仮に拾ったとしても自分でもってちゃだめじゃないですか、という指摘と「あなた、ゴルフ5とかPC-DEPOにいったでしょ、我々は全部知っているんですよ」という追い込みに対してそこはついに反省の意思をみせ
「iPhoneというものをもってみたかった」
という供述を引き出す。結局、iPhone自体はパスワードでロックされておりどうすることも出来なかったが、わざわざ充電器を買って充電して電源をいれていたりしたことがわかった。まあ、お陰でGPSに反応がでたというわけ。
とにかく、拾ったの一点張りなので、会社名を聞き出し、iPhoneをなくした当日のその人の行っている場所を確認してみようということでとにかくその場は解散。警察も、オジサンを捕まえるわけでもなく、開放。なんだかよくわからん。。。